ボルタレンって喉の痛みにも効くの？

2017/04/26 2017/04/27

ボルタレンといえば、ロキソニンと並んで名の知れた鎮痛薬です。頭痛などの症状が現れた時に服用したことのある人も多いと思いますが、ボルタレンは喉の痛みにも効果はあるのでしょうか。ボルタレンの作用と喉の痛みへの効果についてみていきましょう。

ボルタレンの効果と剤形

ボルタレンはNSAIDS（非ステロイド性抗炎症薬）と呼ばれる種類の薬で、解熱鎮痛作用をもっています。その効果は他のNSAIDSと比べても最も強く、手術時の頓服薬などとしても使用されます。薬の剤形も様々で、経口薬、座薬、塗り薬、湿布の4種類があり、このうち市販されているのは塗り薬と湿布のみ。その効果の強さから、経口薬と座薬は処方箋薬となっています。

ボルタレンの作用とは？

炎症を起こした部位で痛み物質が生成された時に、人間は痛みを感じます。そして、痛み物質として有名なものがプロスタグランジン。ボルタレンは、このプロスタグランジンの生成を阻害することにより鎮痛効果を発揮します。

プロスタグランジンは、体内でアラキドン酸から合成されます。この合成過程で欠かせないのが、シクロオキシゲナーゼ。ボルタレンは、シクロオキシゲナーゼを阻害することによりプロスタグランジンの合成を抑制するのです。

また、ボルタレンには解熱作用もありますよね。この効果も、プロスタグランジンの生成を阻害することで発揮されます。なぜならば、プロスタグランジンは体温を上げる作用も持ち合わせているためです。

喉が痛い時にボルタレンを飲めば痛みはなくなる？

風邪をひくと、喉が痛くなることが多いですよね。頭痛に効くと有名なボルタレンですが、喉の痛みにも効果を発揮します。その有効率は、68.0％。高い確率で喉の痛みへの効果が期待できます。

ボルタレンは効果は高いですがやや遅効性で、服用してから効果が出るまで30分ほどかかります。服用してすぐに効果が出なくても、追加でもう1錠服薬するのは絶対にやめましょう。後述する副作用が強くなって出てしまう恐れがあります。また、ボルタレンの効果の持続時間は5時間〜7時間ほどです。服薬するのは1日3回までにしてくださいね。

ボルタレンには解熱作用もあるため、風邪による高熱と喉の痛みを同時に抑えることができます。高熱が出ていて、かつ喉の痛みなどが強い場合には大きな効果を発揮するといえるでしょう。

頭痛以外の痛みでもボルタレンを飲んで大丈夫？

ボルタレンが適応されるのは、頭痛や咽頭痛だけではありません。添付文書の記載によると、関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊椎症、腰痛症、腱鞘炎、頸肩腕症候群、神経痛、後陣痛、骨盤内炎症、月経困難症、膀胱炎、前眼部炎症、歯痛の鎮痛・消炎、手術後ならびに抜歯後の鎮痛・消炎、そして急性上気道炎の解熱・鎮痛に対して効能・効果があるとされています。

効果の有効率は症状によって様々ですが、生理痛や抜歯後の痛みに対しては80％以上という高い有効率を示しています。ボルタレンは、実に様々な種類の痛みに対して効果を発揮します。頭痛や咽頭痛以外の痛みがある時も、ボルタレンを上手に服用して痛みを抑えましょう。

ボルタレンに副作用はあるの？

喉の痛みにも効果のあるボルタレンですが、他のNSAIDsと比べても副作用が強めです。さらに副作用発生率も10.85%と、決して低くはありません。そのため、ボルタレンを服用する時にはどのような副作用が起こる可能性があるのかを把握しておくことが大切です。

ボルタレンの副作用の中で最も発生率が高いのは、胃荒れや胃炎、胃痛などのなどの消化器症状です。これは、ボルタレンがブロスタグランジンの産生を抑制するため。プロスタグランジンには痛みを強めたり熱を上げたりする作用の他に、胃粘膜を保護する作用があります。プロスタグランジンの産生が阻害されることで胃を保護する作用が弱くなり、消化器症状を引き起こしてしまうのです。

副作用である消化器症状がひどく出ると、胃潰瘍や胃炎、大腸炎などになってしまう恐れもあります。ボルタレンの服用中に消化器症状が出た場合には、病院へ行って医師に診てもらいましょう。

また、稀ではありますがボルタレンの服用中に眠気が生じることがあります。発生頻度は0.1％以下ですが、自動車の運転などをする場合には十分注意しましょう。

ボルタレンは副作用が強く、発生頻度も高い薬です。鎮痛剤としては非常に優秀ですが、常用することはおすすめしません。あくまでも、一時的に痛みを和らげる手段として使用するようにしましょう。