ハイプナイトの効果は？なぜ安眠に効果があるの？

ハイプナイトは、睡眠障害の患者によく処方される医薬品ルネスタのジェネリック薬ですが、日本では承認されていないため、個人輸入などでの入手となります。ハイプナイトにはどのような効果があるのでしょうか。また、どのような作用機序で効果を現すのでしょうか。

ハイプナイトってなに？

ハイプナイトはシクロピロロン系の超短時間作用型睡眠導入剤です。脳の神経を鎮めて不安や緊張感をほぐし、自然に近い眠りを誘います。

ハイプナイトは、統合失調症や躁うつ病に伴って起こる不眠症にも有効です。
1mg、2mg、3mgの三種類が用意されており、症状の強さ等によって使い分けることができます。

ハイプナイトってなぜ効果があるの？

ハイプナイトは、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。人間の脳には、刺激することで脳を抑制する「ベンゾジアゼピン受容体」と呼ばれる受容体があります。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、この受容体を刺激して活性化することにより効果を発揮します。

ベンゾジアゼピン受容体が刺激されると、人間の脳内で抑制性の神経伝達を行うGABAという神経性アミノ酸が活性化します。これにより脳の働きが抑制され、眠りにつくことができるのです。

ベンゾジアゼピン受容体はω1受容体とω2受容体の二種類あり、ω1受容体は睡眠作用、ω2受容体は抗不安作用や筋弛緩作用に関連しています。ハイプナイトは、ω1受容体に選択的に働きかけることにより効率的に効果を発揮します。

ハイプナイトの効果が出る飲み方

不眠症には、主に４つのタイプがあります。それぞれのタイプで効果の出る薬が異なるので、自分がどのタイプの不眠症なのかを把握することが大切です。

布団に入ってもなかなか寝付けないのは、入眠障害です。眠るまでに１時間以上かかる場合は、入眠障害が疑われます。そして、一度眠りについても何度も目が覚めてしまうタイプの不眠症もあります。これを、中途覚醒と呼びます。

早朝覚醒は、予定した起床時間より２時間以上早く目覚めてしまうものです。そして、一度目が覚めたら二度寝することはできません。最後に熟眠障害です。睡眠時間が足りているにもかかわらず、眠りが浅くてスッキリしない場合は熟眠障害となります。

ハイプナイトは、超短時間作用型睡眠導入剤。服用してから1時間から1.5時間程度で薬物の血中濃度がピークになり、朝起きる頃には薬の効果はほとんど切れています。そのため、入眠障害や中途覚醒に高い効果を現します。

ハイプナイトには1mg、2mg、3mgとあります。症状によって適切な服用量は異なりますが、初めて使う場合は1mgから始めるのがいいでしょう。また、成人では1回3mg、高齢者では1回2mgを超えて服用することはできません。誤って過剰服用してしまった場合には、直ちに医師に相談することをおすすめします。

ハイプナイトの副作用は？

ハイプナイトは医薬品なので、当然いくつかの副作用があります。体に異変を感じたら、すぐに医師に相談するようにしましょう。

持ち越し効果

次の日まで睡眠薬の効果が残ってしまうことを、持ち越し効果といいます。眠気が続くだけではなく、体がだるくなったりフラフラしたりします。

持ち越し効果は、早朝覚醒などの改善に用いられる睡眠薬で生じることが多い副作用です。ルネスタの場合は朝方には効果がほぼ切れるので、持ち越し効果が起こる可能性は高くはありません。しかし、薬の代謝が遅い人やもともと睡眠時間の短い人の場合は、持ち越し効果が起こるリスクがあります。

依存性、耐性

依存性や耐性は多くの睡眠薬で起こる可能性があり、長期にわたって服用する時に問題になりやすい副作用です。

依存性とは、その物質なしではいられなくなってしまうことです。また耐性とは、体が薬に慣れてだんだん効かなくなってしまうことをいいます。耐性が出始めると、服用量を増やさないと眠れなくなってしまいます。

ハイプナイトなどの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、依存性や耐性が形成されるリスクは比較的低いといわれています。それでも、依存性や耐性の可能性があることは頭にいれておいた方がいいでしょう。

一過性前向性健忘

一過性前向性健忘は、超短時間型の睡眠薬に多い副作用です。具体的な症状は、薬を服薬した後に人と話をしても、そのことを覚えていないなどです。これは、脳を中途半端に眠らせてしまうことによって起こります。

非ベンゾジアゼピン系のハイプナイトで一過性前向性健忘を起こすことはあまりありませんが、多少のリスクは否定できません。服薬後の記憶がないことを人に指摘された場合には、一過性前向性健忘の可能性を疑いましょう。

ハイプナイトで質の良い睡眠を

ハイプナイトは、自然に近い質の良い睡眠を誘ってくれます。また、旧来の睡眠薬に比べると、持ち越し効果や依存性、耐性、一過性前向性健忘などの副作用のリスクもグッと下がります。

夜の睡眠は、生活の質を保つ上で非常に大切なものです。入眠障害や中途覚醒などで悩んでいる人は、ぜひ一度ハイプナイトを試してみてください。自分に合った適切な容量を正しく服用すれば、安全に質の良い眠りを手に入れることができます。

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