マルホ株式会社から発売されているヒルドイドクリームの効果について

2017/07/24

ヒルドイドといえば、皮膚科で一般的に処方される医薬品の一つです。ここでは、マルホ株式会社から発売されているヒルドイドについてまとめました。

ヒルドイドを開発したのはマルホ株式会社

マルホ株式会社は、大正4年創業の製薬会社です。医薬品の中でも塗り薬や貼り薬などの外用薬に特化しており、外用薬の国内販売額は数ある製薬会社の中でもナンバーワンを誇っています。医療関係者に間では「皮膚といえばマルホ」という認識があるほどです。

アトピーや水虫、にきびなど肌の悩みは多岐にわたり、皮膚科のお世話になることも少なくありません。そして、そこで処方される薬にはマルホで開発されたものが多くあります。ピンクのパッケージでお馴染みのヒルドイドは、マルホの代表的な医薬品の一つとなっています。

ヒルドイドの種類

ヒルドイドには、ヒルドイドソフト軟膏、ヒルドイドクリーム、ヒルドイドローション、そしてヒルドイドゲルの4種類があります。
4つの剤形の中で最も有名なのは、ヒルドイドソフト軟膏です。優れた保湿作用がありますが、塗ったときに少しベタベタします。ヒルドイドクリームはヒルドイドソフト軟膏と似ていますが、べたつきにくく水で流れやすいという特徴があります。

ヒルドイドローションはヒルドイドソフト軟膏やヒルドイドクリームよりもさっぱりしているので、夏におすすめです。ヒルドイドゲルは腱鞘（けんしょう）炎や関節炎、筋肉痛などの改善のために用いられ、他の3種類とは違う用途で使用されます。

ヒルドイド（ヘパリン類似物質）の効果

ヒルドイドに含まれている有効成分は、「ヘパリン類似物質」です。この成分は乾燥に効くことが有名で、日本では50年以上も前から使われてきました。ここでは、そんなヘパリン類似物質の主な作用を3つご紹介します。

保湿作用

ヘパリン類似物質は、水酸基や硫酸基、カルボキシル基などをもっているため水と結合しやすいという性質をもっています。そのため、皮膚の水分を保持することにより高い保湿作用を発揮します。ヒルドイドが皮膚の乾燥に対して用いられるのは、この作用があるためです。

血行促進作用

体内にあるヘパリンには血液を固まりにくくする作用があり、ヘパリン類似物質もそれと似た作用をもっています。そのため、ヒルドイドを塗ることで皮膚表面の血流を促進されます。この作用は、血液の循環が悪くなることで起こるしもやけの改善などに利用されています。

傷あとをきれいにする作用

鋭利な刃物などで肌を切ってしまったときに、治癒した後も跡が残ってしまうことがあると思います。これは、傷に繊維細胞が浸透してしまうためです。ヘパリン類似物質は、繊維細胞のもととなる繊維芽細胞の増殖を阻害することで傷あとをきれいにします。

ヒルドイドの使い方のポイント

高い効果が見込めるヒルドイドですが、使い方を間違えるとその効果も半減してしまいます。ここでは、ヒルドイドの使い方のポイントを確認していきましょう。

入浴直後に塗る

入浴の直後は、肌が水分をたっぷり含んだ状態になっています。そのため、入浴後5分以内にヒルドイドを塗布することで潤いをキープすることができます。入浴後以外にヒルドイドを使うときも、化粧水などであらかじめ肌に水分を与えておくとより高い効果が期待できます。

継続して使用する

乾燥しやすい冬だけにヒルドイドを使用するよりも、継続して使ったほうが高い効果を得ることができます。肌が乾燥していると感じたときのみ使用するのではなく、季節を問わず使い続けましょう。なお、ヒルドイドソフト軟膏は冬になると硬くなってしまうことがあります。そのような場合は、手のひらを使って体温で温めましょう。

十分な量を塗布する

少しずつ使っていては、せっかくの効果も十分に得られません。もったいぶらずに、十分な量を塗布しましょう。目安としては、肌がテカりティッシュがくっつく程度の量です。顔および首に塗布する場合であれば、1gほど塗れば十分でしょう。

ヒルドイドの副作用

ヒルドイドはリスクが低く安全に使える医薬品ですが、副作用が全くないわけではありません。起こりうる副作用としては、皮膚炎やかゆみ、発赤、発疹などが挙げられます。頻度は1％以下と決して高くありませんが、副作用らしき症状が出たらまずは使用を中断しましょう。

また、出血性血液疾患がある人や出血によって重大な症状を来す恐れのある人はヒルドイドを使用できません。なぜなら、ヒルドイドの有効成分であるヘパリン類似物質には血液凝固を抑える作用があるためです。
同じ理由で、出血している部位や潰瘍、びらん面に塗ることは好ましくありません。ヒルドイドを使用したことが逆効果にならないように、十分注意しましょう。