フィンペシアは抜け毛を予防できるって本当？

2018/03/26

20～40歳の男性を中心に発症するのが「男性型脱毛症」です。「将来ハゲるのではないか」と不安を感じている男性は多いのではないでしょうか。ここでは、抜け毛予防に効果的だといわれている「フィンペシア」についてご紹介します。

フィンペシアは男性型脱毛症治療薬

フィンペシアは、男性型脱毛症の治療薬です。抜け毛対策には頭皮に直接使用するタイプの育毛剤を使用する人が多いですが、フィンペシアは内服することによって体の内側から抜け毛にアプローチします。

その作用メカニズムは、5α還元酵素阻害です。男性の抜け毛は、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンによって起こります。そして、ジヒドロテストステロンは同じく男性ホルモンであるテストステロンに5α還元酵素が作用することによって生成されます。そのため、5α還元酵素を阻害することによって抜け毛を防ぐことができるのです。

なお、ジヒドロテストステロンは抜け毛以外にも様々な男性特有の悩みを引き起こします。例えば、濃いヒゲや前立腺肥大などです。そのため、5α還元酵素阻害薬はこれらの症状を改善する目的でも使用されます。

フィンペシアで抜け毛は予防できる？

フィンペシアの購入を考えている人が一番気になるのは、本当に抜け毛を予防する効果が得られるのかどうかだと思います。結論から言うと、「長期間服用を続けることで効果が期待できる」といえます。

フィンペシアの主成分はフィステナリドです。そして、これと同じ成分を含有している男性型脱毛症治療薬としてはプロペシアが挙げられます。プロペシアの臨床試験の結果をみると、1年間の服用で薄毛が改善された人の割合は58%、2年間の服用で68%、3年間の服用で78%となっています。さらに、抜け毛が減った人の割合は1年目の時点ですでに98%となっています。

また、プロペシアの臨床試験では「患者による自己評価」も行われました。この結果によると、臨床試験を始めて3か月を経過した頃に「脱毛が減った」「見かけがよくなった」「髪の毛が増えた」など、プロペシアの効果を感じる人が明らかに増えたそうです。そして、3か月目以降も服用期間が長くなるにつれて患者による自己評価は上がっていきました。

フィンペシアは風邪薬とは違い、即効性があるわけではありません。しかし、同じ有効成分をもつプロペシアの臨床試験の結果からも、継続すれば効果的に抜け毛を予防することができるといえるでしょう。
ただし、フィンペシアを服用してもまったく抜け毛が止まらない場合もあります。

それは、「抜け毛の原因が男性ホルモンではない場合」です。抜け毛の原因が栄養不足や頭皮の荒れ、ストレスなどの場合は、フィンペシアをどれだけ飲み続けても効果は期待できません。フィンペシアを6か月以上服用しても効果が感じられない場合は、男性型脱毛症以外の原因を疑ってみてください。

フィンペシアの服用方法

フィンペシアは1日1回服用となっており、1日服用量の上限は1.0㎎です。服用タイミングは定められていませんが、飲み忘れることのないように毎日同じタイミングで飲むようにするといいでしょう。もっとも忘れにくい、起床後服用などがおすすめです。
なお、前述したようにフィンペシアは飲み始めてすぐに効果が現れる薬ではありません。一度服用すると決めたら、最低でも6か月は飲み続けるようにしてください。

また、フィンペシアは薄毛が始まっている人に有効なのはもちろんのこと、抜け毛の予防にも効果的です。将来薄毛になるのが心配という人は、ぜひ予防のために服用してください。男性型脱毛症は遺伝性であり、特に母方の祖父から遺伝を受け継ぐ確率が高いといわれています。母方の祖父の薄毛が始まった時期に合わせて、フィンペシアの服用を開始するといいのではないでしょうか。

フィンペシアを服用するリスクについて

フィンペシアは抜け毛を予防するためにとても有効な薬だといわれていますが、服用にはリスクも伴います。服用を開始する前に、必ずリスクについて確認してください。

副作用が発現する可能性がある

フィンペシアは医薬品であるため、服用することによって副作用が発現することがあります。主な副作用としては、性欲減退や勃起不全などが知られています。また、精子の色が変わるなどの副作用が出ることもあります。

女性、未成年への安全性は確立されていない

フィンペシアの女性や未成年に対する安全性は確認されていないため、服用は避けるようにしましょう。10代から抜け毛予防を始めたいという人は、食生活の改善など身近なところから始めてみることをおすすめします。

胎児に悪影響を及ぼす恐れがある

フィンペシアはジヒドロテストステロンの生成を阻害することによって抜け毛を防止しますが、ジヒドロテストステロンは男性器の発育に欠かせないホルモンです。そのため、妊婦がフィンペシアを服用したり触ったりすると、男性器に異常を抱えた障害児が生まれてしまう恐れがあります。

肝機能障害がある人の服用はNG

フィンペシアは肝臓で代謝される薬であり、肝機能障害がある人が服用した場合の安全性は確立されていません。肝機能に異常がある場合は、自己判断で服用しないようにしましょう。

フィンペシアが安いのはなぜ？

「フィンペシアで抜け毛は予防できる？」の項でフィンペシアと同じ成分を含有している薬としてプロペシアを挙げましたが、実は先に開発されたのはプロペシアです。そして、フィンペシアはプロペシアの製造販売が開始された後、これと同じ成分を持つ医薬品として開発されました。

新薬を開発するときには基礎研究から始まり、非臨床試験、臨床試験、承認申請・製造販売、製造後販売調査などの長い過程を辿ります。そのため、たった1つの薬を開発するだけでも10～18年という長い歳月がかかり、その総費用は200～300億円にも上ります。

それに対してフィンペシアはプロペシアと同じ有効成分を使用しているため、開発にかかる時間とお金を大幅に削減することができました。そのため、プロペシアと比べるとかなり安価で手に入れることができます。その価格の安さから、プロペシアよりフィンペシアを選ぶ人が増えているようです。

フィンペシアとプロペシアの違い

フィンペシアはプロペシアと同じ有効成分を含んでいますが、まったく同じ薬というわけではありません。そして、フィンペシアとプロペシアの違いの中でも知っておかなければいけないのは「キノリンイエロー」です。

キノリンイエローは食品や医薬品に使用されている着色料で、フィンペシアではコーティング剤にキノリンイエローが用いられています。しかしキノリンイエローの安全性は完全には確立されていないため、日本では食品への添加は認められていません。
また、キノリンイエローは子供の運動や学習に悪影響を与える可能性が示唆されています。そのため、ヨーロッパ食品安全委員会ではキノリンイエローの1日摂取量に制限を設けています。

とはいえ、医薬品の場合は1錠に含まれるキノリンイエローの量は微々たるものです。そのため、厚生労働省では食品にキノリンイエローを使用することは禁じているものの、医薬品への使用に関する規制は設けていません。
このことから、フィンペシアにキノリンイエローが添加されていることに関してはそれほど神経質になる必要はありません。しかし、キノリンイエローが添加されているものと添加されていないものであれば、添加されていないもののほうが安心して服用できるといえるでしょう。

フィンペシアの購入方法

薄毛で悩んでいる男性の中には、フィンペシア服用を検討している人もいると思います。ここでは、フィンペシアの購入方法についてご紹介します。

フィンペシアの購入は個人輸入

安価で購入できることから注目されているフィンペシアですが、日本国内においては未承認薬です。そのため、フィンペシアを取り扱っているクリニックは多くはありません。そのため、フィンペシアを手に入れたいのであれば個人輸入がもっとも便利だといえます。

自力で医薬品の個人輸入を行うのは簡単ではありませんが、個人輸入代行業者を利用すれば通販と同じような感覚で医薬品を個人輸入することができます。自宅から気軽に注文できるのが、個人輸入の魅力だといえるでしょう。

個人輸入をするときの注意点

誰でも簡単にできる医薬品の個人輸入ですが、注意点もあります。まず1つ目は、すべてが自己責任だということです。医薬品を服用するときには、まず病院で診察を受けるのが本来のあり方です。しかし、医薬品を個人輸入するときには医師の診察も薬剤師の服薬指導もなしで医薬品を服用することになります。あらかじめ服用方法や副作用についてしっかりと理解してから服用を開始するようにしましょう。

そしてもう1つは、ネット上に流通している医薬品の中には偽造品も紛れ込んでいるということです。万が一偽造品をつかまされてしまうと、健康被害を被ることにもなりかねません。医薬品を個人輸入するときには、信頼性の高い個人輸入業者を利用するようにしましょう。